実践しやすいゲルソン療法

にんじんジュース

ゲルソン療法

がんの食事療法を考慮する際、野菜と果物の大量摂取を特徴とした有名な「ゲルソン療法」を取り入れるのはどうでしょうか。

ゲルソン療法は、1930年台にドイツの医学博士マックス・ゲルソンが開発した食事療法です。

ゲルソン氏はこの療法により、自らの難治性の偏頭痛を治したり、アフリカで黒人医療のために尽力したアルベルト・シュバイツァー博士の糖尿病を治したりしました。治療を続けていく中で、がんにも高い効果があることがわかり、がん患者を専門に治療するようになりました。

この療法は、がんだけでなく、心臓病、肝臓病、糖尿病、腎臓病、結核、リウマチ、血栓など、たくさんの病気に対する効果があることがわかっています。

ゲルソン博士は、比較的早い時期から「がんは局所の病気ではなく、全身の栄養障害、また、代謝障害である」ことを見抜いていました。

ゲルソン療法は、人体にもともと備わっている自然治癒力を食事による十分な栄養摂取により高めることを目標にしたものです。

厳密に実行するのは困難

もともとのゲルソン療法では、野菜ジュースは1日13回、各200~300mlを飲まなければなりません。療法の中にはコーヒー浣腸も含まれており、1日4~5回行なうよう指示されています。その他の項目もあります。

野菜ジュースだけをとってみても、1日に13回飲むということは、起きている間はほぼ1時間おきに飲まなければならない計算になります。酸化を防ぐために作り置きができないため、その都度、生野菜・果物をジューサーなどを使ってジュースにする作業が必要になります。

お金や時間に余裕があり、精神的にも耐えられる人ならば問題ありませんが、ゲルソン療法を厳密に実行するのはかなりの困難が伴います。なにより、ストレスが溜まってしまうようでは本末転倒になります。

続けていくためには自分自身に無理のない方法であることが望ましいのは言うまでもありません。

そこで日本の医学博士、星野仁彦氏はもともとのゲルソン療法にアレンジを加え、誰でも実践しやすい形に改良しました。

「星野式ゲルソン療法」は重要なところは欠くことなく、継続しやすい療法となっています。これらはがんなどの重大な疾患を患っている人だけでなく、健康な人、老若男女の境なく、誰にとっても有効な食事療法なので、すぐにでも取り入れることができます。

星野式ゲルソン療法

星野博士が考案した実践しやすい「星野式ゲルソン療法」とはどのような内容でしょうか。

①大量の野菜・果物ジュースまたは生野菜・果物の摂取

基本となるのは大量の野菜・果物の摂取です。もともとのゲルソン療法では、1日13回、各200~300ml、1日合計目標2000~3000mlとされていましたが、星野式の場合、1日3回、各400mlとされています。1日の合計摂取量が1200~1500mlというのが目安です。

②無塩

通常の食事のことを考えてみると、醤油などの調味料に塩分が含まれており、調理の段階でも食べる際にも味付けのために何らかの塩分が加えられるものです。しかし、ゲルソン療法でも星野式ゲルソン療法においても塩分は厳禁となっています。

③油脂類と動物性たんぱく質の制限

質の悪い油や動物の脂肪を避けるゲルソン療法をもとに、やはり動物性たんぱく質(肉・魚)を食べないことが含まれています。摂取できる油は、生では亜麻仁(あまに)油、エゴマ油、加熱する場合はオリーブ油だけとされています。

④積極的に摂取する食品

積極的に食べるものに、イモ類や未精白の穀類、豆類、新鮮な野菜・果物、堅果類(クルミ・栗など)、海藻類などが挙げられます。もともとのゲルソン療法においては豆類は禁じられていますが、大豆の中にはアルギニンという抗癌作用がある物質などもあり、取り入れられています。

⑤禁止すべきもの

なんとしても避けたいものとして、アルコールやたばこ、カフェイン、精白された米、小麦、砂糖、食品添加物などがあります。