食生活ががん体質を作りあげる

Fast food

現在の日本において、2人に1人が生涯中のどこかでがんを患い、3人に1人が実際にがんで命を落とします。がん治療には手術、抗がん剤治療、放射線治療の3大療法が主流ですが、がんを発症しないために私たちにできることがあるのでしょうか。

2015年9月に国立がん研究センターによって発表された情報によりますと、2007年にがんの治療を始めた患者延べ16万8514人について、5年後の生存率が同じ年齢、性別の一般集団に比べてどれだけかを示す「5年相対生存率」が64.3%だったとのことです。

2002年に行われた同調査の結果が52%だったことを考えると、好ましい改善率といえます。しかし、手術が成功し、がん細胞を確実に除去できたはずのそれらの患者たちの多くが亡くなっているのが現実です。

がん体質

がんになりやすい要因として、肉食中心、野菜不足、塩分過多、喫煙などがあります。最近は食品に含まれる残留農薬や薬品、添加物なども避けて通れない要因となっています。

食は人をつくります。がんは生活習慣病であり、生活習慣を見直すことで多くを改善することができる疾患です。私たちの食習慣、生活習慣ががん体質を作り出しているのです。

身体は非常に正直です。農薬や成長ホルモン、遺伝子組み換え商品、保存料、合成添加物などが含まれていない食品がどれほどあるでしょうか。食の欧米化に伴い、動物性脂肪、タンパク質、油脂の過剰摂取の問題もあります。

弁当、ファーストフード、コンビニエンスストア、多くの外食産業などに目を向けるとき、営利優先で、人々の健康は二の次にされています。

このように、栄養価も低く、農薬や添加物まみれの食品を摂りながら、「いつも健康でいるように」というのは無理な注文です。生きていくために毎日取り入れる食品により、免疫力が低下し、がん発症リスクを高めるというのはなんとも皮肉な話です。

ファーストフードのルーツ

ここでは摂取過多が健康に問題とされるファーストフードについて注目してみたいと思います。それはいつ、どのようにして生まれ、私たちのもとへたどり着いたのでしょうか。

ハンバーガーやフライドポテト、フライドチキンなどのファーストフードのルーツは、第二次世界大戦のドイツにあります。

戦場というのはそこで戦う人間にとって過酷な場所です。より多くのエネルギーが必要とされます。そのような過酷な場所で、兵士の体力を最大限に引き出すために試行錯誤の末に編み出されたのがファーストフードの前触れである戦闘食だったのです。

当時のドイツの科学力は世界一といわれていました。その科学者たちが知恵を絞って考え出したのが、体力増強のための4200キロカロリーの食事だったのです。生み出されたのは肉と脂の高カロリー食品でした。

人間が1日に必要とするカロリーは1800~2000程度といわれていますから、それがいかに過剰摂取だったかがわかります。それは健康を度外視した戦場で戦う人間のために作り出されたものでした。

そのドイツで生まれた戦闘食を引き継いだのがアメリカでした。ドイツにおいては戦争は終了しましたが、アメリカは第二次世界大戦後も、朝鮮戦争、ベトナム戦争と、戦争続きでした。それに伴い、戦闘食とされた肉と脂の高カロリー食が用いられたのです。

高カロリー食品はやみつきになります。戦場を去った元軍人たちは引き続きそのような高カロリー食を求めました。やがて戦闘食は一般化し、今日見られるように、アメリカを代表する食文化になりました。日本も欧米化により、ファーストフードの広がりは現在も進行中です。

平和な日本で必要でもないのに食べるいわゆる「戦闘食」が、それほどカロリーを必要としない私たちにとって余りあるものであることに疑問の余地はありません。