減塩でがんが減り、寿命が伸びる

人の一生

人間の一生というのは終わりに近づいてみれば、あっという間に感じられます。僅かな残りの日々を愛おしく思いながら、できるだけ長く生きようと願うのが人間というものです。

減塩で一日でも長く生きられるなら、それは朗報ではないでしょうか。他のページでも紹介しましたが、がん細胞の好物は塩分です。塩分を少なくすると、がん対策になり、健康が増進し、結果として寿命が伸びます。

長寿日本一長野県民

2013年に厚生労働省によって発表された2010年における都道府県別の平均寿命があります。堂々の日本一になったのは男女ともに長野県でした。

しかも、ただ長寿なだけでなく、健康上の問題がなく、自立した日常生活ができる期間を示す「健康寿命」においても長野県民はトップクラスでした。

では、ずっと長野県民は長寿だったのでしょうか。実のところ、かつては散々たる状況がありました。1960年台には健康どころか、脳卒中の死亡率が全国1位という不名誉な状態だったのです。

脳卒中が多い背景には、塩分の摂り過ぎが挙げられます。食塩を摂り過ぎると血液中のナトリウム濃度が上昇します。身体はそれを察知すると、血中の塩分濃度を薄めるために血液中の水分を増やします。その結果として血圧が上がってしまい、デリケートな脳血管が切れやすくなのです。

長野県は内陸県のため、保存の効く塩漬けの魚を多く摂る習慣がありました。また、野沢菜などの塩分の多い食品をよく食べることも関係していました。

こうした状況を憂いた長野県民は県をあげて取り組み、減塩運動を地道に行った結果、県民の減塩意識が高まり、塩分摂取が減少し、脳卒中やがんが減っていき、今日見られるような健康民となったのです。

胃がんが3分の1になった秋田県

同じような経緯が秋田県にも見られます。秋田県では漬物などの塩辛い食べ物が好まれており、塩分の摂取過多による脳卒中や心臓疾患、胃がんなどの死亡率が高いというデータがあります。

冷蔵庫のなかったかつての時代には食品を塩漬けにして保存する習慣があり、冷蔵庫の普及した現代においてもその塩漬け食品の習慣は続いていました。

この疾患の多い状況を憂慮した秋田県も県をあげて対策に乗り出し、全体で塩分制限に努めたところ、脳卒中や心臓疾患はもちろん、胃がんもかつての3分の1にまで減少したのです。

日頃の意識

これらの事例から塩分がいかに私たちの身体にとって脅威となっているかがわかります。食事における意識の難しいところは、すぐに影響が出ないということです。

たしかに塩分の少しくらい多いほうが舌においしく感じられますし、多めの醤油や塩をとったからといって、明日身体に不調が出るわけでもありません。ですから、「減塩」という日頃の意識が大切になってくるのです。

塩分の制限によって、胃がんをはじめ、全身のがん細胞たちに宣戦布告することができます。彼らは塩分が好物なので、それをできるだけ遮断することにより、兵糧攻めにし、こちらから攻撃することができるのです。

塩分制限などめんどくさいし、一度しかない人生だから美味しいものをたらふく食べて死にたいという人もいるでしょう。それで本望だというわけですが、そのような人は制限に伴う我慢や辛抱から逃げているのです。

決して本音は言わないかもしれませんが、人はやはり「生きたい」のです。減塩、無塩によって、私たち人間の本来の欲求に少しでもかなう生き方を目指していきましょう。