第1級発がん性物質「ピロリ菌」のチェック

ピロリ菌

ピロリ菌

タバコやアスベストと同様、第1級の発がん性物質に指定されているのがピロリ菌です。特にピロリ菌が関係するがんは「胃がん」です。世界の胃がんの発症頻度のベスト3は、1位が日本、2位が韓国、3位が中国といわれています。

東アジアのピロリ菌は凶悪

一口にピロリ菌といいましてもその種類は多くあります。がんを引き起こす毒素をピロリ菌は所有していますが、世界の様々な地域に生息するピロリ菌ごとにその毒性の強さが違います。がんを起こす力の弱いピロリ菌しか存在しない地域もあります。残念ながら日本を含む東アジア地域のピロリ菌はがんを引き起こす強い毒素を持っていることが特徴となっています。

このように、日本人はピロリ菌罹患率が高いわけですが、特に40代以上の70%、50歳以上の約80%の人が保菌者であると考えられています。これは戦後数十年の不衛生な生活環境が感染原因だと思われます。

現在、日本人がかかっている胃がんの98%はピロリ菌感染によるもので、あとは遺伝などの先天性要因によるものです。ピロリ菌感染が引き起こす疾患は、胃がんをはじめ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎(慢性胃炎)、胃ポリープなどがあり、まさに百害あって一利なしです。

こうした状態を招かないためにも、ピロリ菌に感染していることが分かったら除菌することが大切です。現在は除菌治療が保険適用になったため、病院(消化器科、胃腸科、内科、消化器内科など)で除菌することができます。

料金は病院によって違うので事前に電話やインターネットなどで地域の病院に問い合わせることができます。負担額は病院によって違いますが、ざっとインターネットで調べてみると3000~1万円ほどの負担になるようです。

ピロリ菌がいるか、自分でキットを購入して検査する

検査キットの説明文

自分で検査キットを購入して検査する方法もあります。この検査キットを使えば、検便によってピロリ菌の有無を調べることができます。3回分がセットになっている検査キットで2700円前後となっています。海外からの個人輸入になりますが、送料無料です。

ただし、このキットではピロリ菌の有無だけしか検査することができません。ピロリ菌がいた場合、また別途ピロリ除菌キットを購入して自宅で退治することになります。もしくは、きちんと病院を訪れ、「どうやらピロリ菌がいるので除菌してほしい」との要望を伝え、除菌してもらうという選択になるでしょう。

ピロリ菌は体内に長期間いればいるほど、発病の危険性が高まります。自分の体内にピロリ菌がいるかわからないままでいるより、多少めんどうでも検査して退治することは、後々胃がんになって多額の出費・心痛で後悔するよりずっといいのではないでしょうか。

自分で検査キットを購入してピロリ菌チェックするのもよし、病院できちんと医師の診断のもとに検査をすすめるのもよしです。ただ、多くの人は「予防より治療」というパラダイムをもっているので事が生じてからでないと動かない傾向が強いのは残念です。

国民全員に治療すればよいのでは?

日本人の40代以上の70%、50歳以上の約80%の人が保菌者であるというのなら、いっそうのこと、国民全体にピロリ菌治療を施してピロリ菌を日本から撲滅してしまう作戦はどうでしょうか。

いいアイデアのようにみえますが、天敵がいなくなると、別の種が爆発的に増加するというのは歴史が明らかにしています。国民の多くが除菌薬を飲んだとすると、ピロリ菌がいるあいだはおとなしくしていた別の菌が、除菌のあと突然暴れだす心配(菌交代現象)があります。

またピロリ菌にとってみれば、全滅なんてもってのほかです。なんとしても生き延びる方法を考えなければなりません。そこで、除菌療法の薬に耐えられる体に姿を変えようとします。すなわち、みんなが除菌薬を飲むようになると、耐性菌の発生する危険性があるのです。

インフルエンザに対処するためにワクチンがあってもワクチンの効かない新型のインフルエンザが登場するのは良い例です。資金面での問題もあることでしょう。このような理由から一気に撲滅する方向へ向かうことはなさそうです。