NBI検査やアミノインデックス検査でがんを見つける

線虫は見かけはあまりよくないですが、がんの匂いが大好きです。

ここでは、2015年現在で最新のがん検診であるNBI検査やアミノインデックス検査、そして近いうちに検診開始が期待できるがんの匂いにたどり着く線虫の研究について取り上げています。

NBI検査

NBI検査は一歩進んだ内視鏡検査といえます。2015年現在、受診可能な病院が増加中で、日本中に普及しつつある状態です。

NBI検査は内視鏡の通常の白色光に加えて、最新の内視鏡機器で2つの短い波長の光(青色に見える光)を粘膜に当てることで粘膜の微細な表面構造や毛細血管をくっきりと写し出すという技術です。

がんやポリープ等の腫瘍は、粘膜表面の微細な血管パターンが変化するため、通常の内視鏡検査ではわかりにくい腫瘍の発見に有用といわれています。

NBI検査では以下のがんの早期発見に役立ちます。

  • 食道がん
  • 胃がん
  • 大腸がん
  • 喉頭がん

行われた試験によりますと、咽頭・喉頭ガンと食道の早期ガンに対して通常の内視鏡での発見率がそれぞれ8%、55%程だったのに対し、NBI検査を行なうことでそれぞれ100%、99%程度まで向上したという驚くべき結果が得られました。

このように、通常の内視鏡では見落としがちな早期のがんを発見できるのがNBI検査の特徴です。

アミノインデックス検査 がんを発症前にみつける

アミノインデックス検査(アミノインデックスがんリスク・スクリーニング 通称:AICS)は、血液検査で胃がん・肺がん・大腸がん・前立腺がん・乳がん・子宮がん・卵巣がんリスクがわかるというものです。この検査も行なえる病院や施設が増加中です。

これは、血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康な人とがん患者のアミノ酸濃度バランスの違いを統計的に解析することで、がんが発症しかけてないか、そのリスクを評価する新しい検査です。

健康な人の血液中のアミノ酸濃度は、それぞれ一定に保たれるようにコントロールされていますが、さまざまな病気になると、一定に保たれている血液中のアミノ酸濃度のバランスが変化することが分かっています。この性質を応用したのがアミノインデックス検査です。

これは、たった1回の採血(約5mLという少量)で、複数のがんを同時に検査することができきる心身ともに負担の少ないもので、早期がんにも対応しています。

それぞれの部位(胃がんから卵巣がんまで)について、がんが発症している可能性、がんになりかけている可能性を0.0~10.0の数値(AICS値)で報告します。

数値が高いほど、がんである可能性が高く、判断する目安として、「ランクA」「ランクB」「ランクC」の3段階で表示されます。

ランクAは通常よりがんである可能性が低く(0.3~0.7倍)、ランクBはやや高く(1.3~2.1倍)、ランクCは高い(4.0~11.6倍)状態であることを表しています。ランクCはそれぞれのがんに対しての精密検査が必要となります。

アミノインデックス検査はがんであるかどうかを確定するものではありません。メインはガンになる可能性の大きさを調べるためのものです。ですから、ランクCと診断された人のうち、実際にガンである人は100人につき1人といわれています。

検査にはそれぞれに長所と短所があり、いくつかの検査結果を総合的に判断することで、がんを見つけ出せる可能性が高くなると考えられます。

また、アミノインデックス検査は採血時のがんであるリスクを評価するもので、生涯に渡ってのリスクを評価するものではありませんので、定期的に検査することが大切です。

アミノインデックス検査で検査可能な対象となるがんは次の7種です。

  • 胃がん
  • 肺がん
  • 大腸がん
  • 前立腺がん
  • 乳がん
  • 子宮がん
  • 卵巣がん

尿1滴でガンがわかる 線虫をつかって調査

最後は、2015年現在、研究中であり2020年実用化を目指して開発中の線虫を使ったがんの早期発見技術です。

がんには匂いがあることがわかっています。小さい線のような虫(線虫)はがんの匂いが好きであることが発見されました。線虫の嗅覚は大変優れており、犬の1.5倍ほどあるといわれています。

線虫はがんの匂いが大変好きなようで、がんにかかっている人の尿には寄ってきます。対照的に、健康な人の尿からは逃げるという性質を持っています。

この特質を利用して、人間の尿1滴を垂らすとその尿を出した人がガンである場合には尿に集まってくるのでそのようにしてガンを発見できるというわけです。

驚くべきことに、線虫によるがんの発見率は約95%もの高い水準をほこります。

この検診のメリットは高い発見率だけでなく、診断結果が出るまで約1時間半と短く、1回あたり数百円で検査できるので非常に安価です。

現在のところ、がんの有無がわかるだけですが、それぞれの部位のがんに反応する線虫の開発が進行中であり、やがて寄り付く線虫の種類によってがんの種類まではっきりわかると期待されています。