お酒で顔が赤くなる人は食道がんや喉のがんの恐れあり

お酒で赤面

お酒は私たちの生活に深く関わっています。まったく飲まない人もいますが、多くの人にとって、お酒は楽しみの一つです。人がお酒に強いか弱いかはすぐにわかります。飲んだ直後に顔が赤くなる人はお酒に弱い人です。顔が赤くなったままお酒を飲む人はたくさんいますが、長期的に見るとよろしくないようです。

愛知県がんセンター研究所が2016年2月の欧州医学誌に発表したところによりますと、お酒を飲んで顔が赤くなる人が大量飲酒を続けた場合、80歳までに5人に1人が食道や喉のがんになるそうです。

お酒を飲むと顔が赤くなる人がお酒を飲み続けた場合、そのような100人の人につき、20人は人生のどこかで食道がんや咽頭がん、喉頭がんといった喉のがんにかかるというわけです。

顔が赤くなる人は酒を分解する力が弱く、分解途中に生じる発がん性物質(アセトアルデヒド)が長く体内に残るためとみられています。対策としては、自分の体質を知り、飲む回数か量を減らすようにすることです。(アセドアルデヒドは2009年にWHOにより発がん性物質と認定されています)

今回の発表に先立ち、愛知県がんセンター研究所はがん患者約1300人とがんでない約1900人について、酒の分解に関わる遺伝子「ALDH」の型と飲酒習慣を調べたそうです。

分析の結果、酒は飲めるが赤くなる遺伝子型を持つ人がアルコールを1回46グラム以上(ビール・発泡酒(5%)で500mlを2本以上、日本酒換算で2合以上)、週5日以上取ると、80歳までに口や喉、食道のがんになる確率が約20%に達したということです。

なぜお酒を飲むと顔が赤くなるのか

そもそもなぜお酒を飲むと顔が赤くなるのでしょうか。そして、顔色が変わらない人がいるのはどうしてでしょうか。

顔が赤くなるのは、血行が良くなっているから、健康的だと思っている人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。アルコールを分解する過程で生じるアセトアルデヒドという発がん性物質が血液中に漏れだしているためなのです。

アルコールの分解過程はおおまかに次のようなものです。

アルコール→アセトアルデヒド(有害)→酢酸(無害)→二酸化炭素と水→排せつ(体外へ)

有害なアセトアルデヒドを無害な酢酸へ分解する役目を果たすのがアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)です。この働きが強いか弱いかによって、人がお酒に強いか、弱いかが決まります。ALDHの働きが強力な人は有害なアセトアルデヒドが無害な酢酸へすぐに分解されるため、顔色は変わりません。

ALDHの能力が低いとアセトアルデヒドを十分に分解できず、それが血液中に漏れ出して全身をめぐってしまいます。アセトアルデヒドには顔の毛細血管を広げる作用があるため、顔が赤くなるという症状が出るわけです。

他にも、個人差はありますが、吐き気やめまい、頭痛、眠気、動悸、発汗、二日酔いなどの不快症状を引き起こします。ですから、お酒を飲んで顔色が赤くなるのは決して良い症状ではないのです。

アセトアルデヒド脱水素酵素の型

アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)には3種類の型があります。

N型:活性
D型:非活性

N型かD型かを両方の親から1つづ受け継ぐため、NN、ND、DDの3種類があるというわけです。人は誰でもこの3種類のどれかに相当します。

NN(活性型):お酒普通にOK、赤くなりませんし、強いです。
ND(不活性型):なんとか飲めますが弱いです。(赤くなります)
DD(失活型):少ししか飲めません。(赤くなります)無理して飲み続けると、吐くなどの不快症状が出現します。

日本人の4割ほどがND(不活性型)もしくは、DD(失活型)といわれ、顔が赤くなるお酒に弱いタイプのようです。発がん性物質であるアセトアルデヒドを十分に分解できない体質なわけですから、そのような状態でアルコールをずっと摂取し続けるとがんを発症するのも理解できることです。ですから、飲めない酒は無理して飲まないようにしましょう。