塩分はがん細胞の好物

塩分過多に注意

世界で推奨されている人間の塩分摂取量は1日5g(WHO、世界保健機関)とされています。日本人の塩分摂取量は、平均10.4g(厚生労働省平成24年国民健康・栄養調査結果)とまだまだ多いのが現状です。

がん細胞を兵糧攻め

塩分過多は高血圧の原因となり、それが脳卒中や心臓病、腎臓病を招きます。そして、とくにガンとの関連性でいうなら、がん細胞はナトリウム(塩分)が好物です。

通常の細胞は、内部がカリウムが多く、ナトリウムの少ない構成で成り立っています。ところが、がん細胞の場合は逆で、内部にナトリウムが多く、カリウムが少ない状態になっています。がん細胞はナトリウムを多く取り込み、自らの肥やしとしているのです。

がんの食事療法において減塩、無塩が奨励されるのは、このがん細胞の好物であるナトリウムをなくしてしまうことにより、彼らを兵糧攻めにする作戦なのです。

いくら強靭ながん細胞といえど、食べ物がなければ成長できないのです。

塩分を我慢しても大丈夫か

人間が生きていくためには塩分が必要です。食事において無塩を奨励すると、体が塩分不足になるのではないでしょうか。

無塩食を実践すると、まれに頭痛や吐き気などの症状を特徴とする「ナトリウム欠乏症」が出ることがあります。これは、それまでたくさん入ってきた塩分が急に入ってこなくなったために一時的に生じる身体の禁断症状です。ひどい場合は医師への相談が必要になりますが、そうでないなら、慣れとともに治まってきます。

ほとんどのケースにおいて、無塩食を実践しても身体に異常が生じることはありません。

実際に身体に塩分は必要なのですが、実のところ、体が必要とする塩分はイモ類や野菜類に含まれているのです。舌に感じるほどは含まれていないためにそれらを食べても塩辛いということにはなりません。

ですから、特に意識して塩分を取らなくとも、自然界のものには私たちが必要とする塩分が十分に含まれているのです。

食べて美味しいものは塩と油分の場合が多い

食べ物を口に入れた瞬間、美味しいと感じるものは基本的に塩と油の味です。ですから、ことに外食産業においてはより美味しいと感じてもらうために多くの塩分と油分が使われています。

外食をできるだけ避けるようにというアドバイスは塩分摂取の点からも意味があるのです。

加工食品も然りです。塩分を多くすればそれだけ長期保存が可能になるという特性があるため、加工食品には多くの塩が使われています。

外食や加工食品は美味しいと感じるものが多いかもしれませんが、口にうまいものはがん細胞たちにとっても栄養豊かだということを覚えておきましょう。