青魚と白身魚でがん予防

さんま

人間にとってタンパク質は重要な栄養素です。食肉や魚類からは動物性のタンパク質を摂取することができます。ここでは魚類、特に青魚や白身魚に注目しています。

青魚

いわし、あじ、さんまなどが青魚のよく知られた種類です。数十年前までは魚の脂肪も牛や豚の脂肪も同じであるとみなされていたため、なるべく食べないようにと言われていました。

しかし、比較的最近になって学者たちはグリーンランドのイヌイット(氷雪地帯に住む先住民のエスキモー系諸民族の1つ)に注目し、彼らのうちになぜ脳梗塞、心筋梗塞、がんといった疾患がほとんど見られないのか研究しました。

その結果、イヌイットが食べていたアザラシや魚類に含まれている不飽和脂肪酸のひとつ、DHA(ドコサヘキサエン酸)に脳梗塞や心筋梗塞、がんなどの病気を予防する高い効果があることが判明したのです。魚のタンパク質は牛や豚などの肉とは違っていたのです。

その後、研究が重ねられ、マウスを使った実験においても、DHAを摂取すると大腸がんや乳がんになりにくいという結果が得られました。人を対象にした研究でも、DHAを多く摂っている場合はがんになりにくいという調査報告もあります。

青魚にDHAと同じように含まれているのが不飽和脂肪酸のひとつであるEPA(エイコサペンタエン酸)です。EPAもDHAと同じような働きをすることがわかっています。

青魚の脂肪は酸化しやすいという弱点があります。(ちなみに、赤身魚にも酸化しやすいという弱点がありますが、赤身魚よりはまだ青魚のほうが酸化の度合いが弱い)

ですから、できるだけ新鮮なものを摂ることが肝心です。焼いたりすると、せっかくの脂肪が落ちてしまいます。効率的にその栄養を摂るには刺し身などで食べると良いでしょう。

白身魚

今度は同じ魚類でも白身の魚に注目してみましょう。鮭の身は赤に近い色ですが、じつは鮭は白身魚です。

あの明るい色は、アスタキサンチンと呼ばれる色素によるもので、エビやカニなどの色素と同様のものです。

アスタキサンチンはカロテノイド系の天然色素で抗酸化活性が強いという特性があります。脂溶性の抗酸化物質のなかでは最も抗酸化力が強いため、私たちの免疫力を高めてがんを抑制してくれます。

鮭は身だけでなく、皮も背骨も卵巣も背わたもすべてが栄養に富んでいるため、鮭を食べることを「薬食い」と呼ぶほどです。がん予防という観点から、高い抗酸化力をもっていますから、肉や豚よりも白身魚や青魚でタンパク質を摂りたいものです。

ちなみにまぐろやかつおなどの赤身魚はどうでしょうか。赤身魚も栄養豊富ですが、青魚や白身魚に比べるととても酸化しやすいという弱点があります。酸化する、つまり、錆びてしまったような食品は身体にはよくありません。

とはいえ、まぐろやかつおも美味で、好きな人も多いことでしょう。酸化という観点からすると、新鮮なものはなかなか手に入らないのが庶民の悩みどころですから、赤身魚は週2回くらいまでにしておきましょう。