ガンとの関わり 一人で抱え込まない

奮闘

「自分はだいじょうぶだろう」

多くの人は検査で引っ掛かり、告知されるまでそのように感じていました。

このことは大抵の人に心の準備ができていないことを如実に示しています。それなのに、今や日本人のがん発症率は2人に1人です。多くの人が突然の現実に戸惑い、落胆するのも理解できることです。

ガンを告知された患者には想像以上のストレスが待っています。これは経験者のみが知る恐怖と絶望感です。

身体がガンにかかると、それに伴って心の病まで発症する可能性が高まります。こういったことはガンを発症した患者本人はもちろん、家族をも巻き込む試練となります。

最悪の結果を避ける

ある患者は自分の身に突然生じたガンという病に圧倒され、ついには自ら命を絶つという選択をしました。まだまだこれからという40歳になったばかりの男性で、妻と3人の子供を残しての選択でした。

家族と共にいた時間は明るく振舞っていても、いざ病室で独りになると思いつめてしまうことは多々あります。この人も家族の前で元気そうに振る舞いながらも、陰では「自分がこんな病気になってしまって、申し訳ない」と思い悩んでいました。

残された妻や子どもたちからすれば、無理に元気そうに装わなくてもいいうえ、めそめそと家族の前で泣いてくれてもよかったはずです。死以外の選択ならどんなに辛いことでも耐えられたのです。

周囲の力を借りる

周囲の力を借りる目的は、必要な支えや慰めを得ることです。それだけガンというのは一人で立ち向かうには無謀すぎる強敵なのです。

苦難のときに心配や悩みや不安を口に出して聞いてもらえる相手がいるでしょうか。家族や友人、恋人といった身近な人でもいいですし、カウンセラーやがん患者からなるコミュニティーといった手もあります。

特に同じ病気と闘う人同士の交流は支えとなります。

そのようなコミュニティーに初めて臨む場面を想像すると、「初対面の人同士で腹を割って本当の心痛や不安を分け合えるのか」という心配もあるかもしれません。ところが、経験してみると、そのような不安などすぐに吹き飛びます。ほとんどの人が他の人と痛みを分け合うことの益を実感します。

ガンという強敵と闘うにはある程度の心構えが必要とされます。相手がどんなに弱い敵であっても、こちらに戦う意思がなければ戦う前から勝敗は決まってしまいます。ましてがんは強敵ですから、立ち向かうだけのガッツや決意が求められます。

一人では解決不能と思えるような困難な問題でも、信頼できる人と話し合うとその重みがふっと軽くなることがあります。

身近な人に少し状況を打ち明けるだけでも、心が晴れたりするものです。

一人では抱えきれない問題でも、だれかの力を借りることによって見方や考え方に良い影響が及び、問題を違う視点から見ることができる場合があるのです。

がんと闘ううえで、胸の内を分かち合える仲間がいることは治療の効果をさらに上げるものなので一人で抱え込まないようにしましょう。