がんの10年生存率

がん診療、研究を実施する国公立病院など32施設が加盟する全国がんセンター協議会(全がん協)が28種類のがんの10年生存率を公表しました。日本において、これまで5年生存率データはありましたが、10年生存率データはなかったために、今回が初めての貴重な公開データとなりました。
10年生存率

(上記のデータはこちらから引用させていただいており、参照することができます。リンク先のページにおいて、5年後生存率や、手術患者を対象にした10年生存率も見ることが可能です)

データをおおまかに見てみますと、全臓器・全ステージ(病期)の10年生存率は58.2%となっています。簡略しますと、100人が何らかのガンになった場合、10年後に生きている人の数はそのうち58人というわけです+。

病期がⅠ期の「早期」とⅣ期の「進行・末期」を比較してみますと、どの部位のガンであっても発見が遅いければ遅いほど、生存率が低くなっています。たとえば、大腸がんで見てみますと、ステージⅢだった人の10年生存率は69.6%であるのに対し、ステージⅣの場合、10年生存率はわずか8%まで急激に落ちています。

2016年2月現在で参考にできる、国立がん研究センターが公表している2015年のガン罹患率(新たにがんと診断されるがん患者数)予想によりますと、男女計で第1位は大腸がん、第2位は肺がん、第3位は胃がんとなっています。第1位~3位まで数の上での大差はほとんどありません。(大腸がん135,800、肺がん133,500、胃がん133,000)

大腸がんにしても肺がんにしても、胃がんにしても病期がⅢ期で対処できた場合と、Ⅳ期になってしまった場合では10年後生存率が大きく変わります。それだけ多くの人生に影響が及んでおり、いかに早期発見が大切かがわかります。

わたしたちはこうした貴重なデータがあることを感謝できます。同時にこうした数値にいたずらに怯えながら生活するのではなく、現状で自分にできることを無理のない範囲で行ないたいものです。

全国がん(成人病)センター協議会加盟施設一覧

全国がん(成人病)センター協議会にはどれほどの病院や施設が加盟しているのでしょうか。加盟しているのは以下の32の施設になります。

北海道がんセンター
青森県立中央病院
岩手県立中央病院
宮城県立がんセンター
山形県立中央病院
茨城県立中央病院
栃木県立がんセンター
群馬県立がんセンター
埼玉県立がんセンター
国立がん研究センター東病院
千葉県がんセンター
国立がん研究センター中央病院
がん研有明病院
都立駒込病院
神奈川県立がんセンター
新潟県立がんセンター新潟病院
富山県立中央病院
石川県立中央病院
福井県立病院
静岡県立静岡がんセンター
愛知県がんセンター
名古屋医療センター
滋賀県立成人病センター
大阪医療センター
大阪府立成人病センター
兵庫県立がんセンター
呉医療センター・中国がんセンター
山口県立総合医療センター
四国がんセンター
九州がんセンター
佐賀県医療センター好生館
大分県立病院

以上32施設

こうしてみると、主要な多くのがん施設が加盟しています。日本において多くの医療従事者がガンと闘うために日々奮闘してくださっている様子が目に浮かぶようです。10年生存率は数字で表されますが、そこには一人ひとりのガン患者、関わった医師や看護師、そして家族のドラマがあります。

ですから、生存率データはこうした病院と患者個人の集大成といえるものです。今回明らかになったデータにより、今後ますます多くの人が「治療より予防」のパラダイムに変換してくれることを願います。

そうなれば、健康な平時においてもより高いガン意識を持つことができ、毎年ガン検診に参加したり、食事や生活習慣に気をつけたり、正しい知識の蓄積につながることでしょう。