意外と知られていない植物油のがんリスク

植物性油
かつて「動物性脂肪は体に悪く、植物由来の油は体に良い」というイメージが定着していました。動物性脂肪には肉や乳製品、卵、バター、ラードなどがあります。それらはがん発症リスクを上昇させてしまうため、極力避けるべきものとみられていたのです。

植物性脂肪安全神話崩壊

植物性脂肪ならどれも大丈夫という考えがまかり通っていた1981年、アメリカ国立がん研究所より衝撃的な調査発表がありました。

行われた調査は、動物性脂肪と植物性脂肪が人体に及ぼす影響を知るためのもので、数百人の被験者を対象にしたものです。

被験者には、植物性油を普段の4倍摂取してもらい、動物性脂肪の摂取は普段の半分量にしてもらうという内容です。

それまでの定説は「植物性油は体に良く、動物性油は体に悪い」でしたから、植物性脂肪を普段の4倍摂取し、動物性脂肪を2分の1にした食生活からかなりの改善結果が期待されたのもうなづけます。

ところが、いざ結果を知ると研究者たちは驚愕しました。心臓病の発症率はまったく下がらず、がんの発症率は上昇してしまったのです。

ラット実験でも

カナダの西オンタリオ大学において、ラットに10種類の脂肪を与え、どれが一番がんを引き起こしやすいかを調べた研究報告もあります。

その結果も、植物性脂肪が良い物だというイメージを根底から覆すものでした。

最もがんの発生率が高かったのは、ひまわり油、わたの種子からとられる綿実油、コーン油などの植物油だったのです。

植物性油のがんリスクが高い理由

なぜ体に良いと考えられていた植物油の発がんリスクが高かったのでしょうか。

植物油は不飽和脂肪酸という不安定な構造を持っています。これは、加熱されると空気中の活性酸素と結合して過酸化脂質になります。この過酸化脂質は細胞膜を破壊し、細胞内の遺伝子を傷つけて細胞をがん化させてしまうのです。

植物性油を日なたに放置してみると、空気中の酸素をどんどん吸収して黒ずみ、最後はベトベトしたタール状になって、嫌な匂いを放つようになります。これは植物油の不飽和脂肪酸が発ガン物質である過酸化脂質に変化したためです。

家庭における植物油の用途についてはどうでしょうか。

植物油は多くの場合、調理の時に加熱されます。揚げ物、炒めもの、煮物など、油が使われる場合、たいてい加熱の過程を経て私たちの口へ運ばれるのです。この加熱段階において植物油の不飽和脂肪酸が過酸化脂質へ変化するため、植物油の発がん性リスクが高まるというわけです。

特に悪いのは何度も使い回される揚げ物用の油です。一度の加熱でも不飽和脂肪酸が過酸化脂質へ変化している状態なのに、その工程が繰り返されるわけです。発がん性物質をわざわざ食べているようなものです。

ただし、植物油の中でもオリーブオイルだけは加熱用に用いてもOKです。この理由についてはまた別の時に言及します。